米クラリティー法案、公聴会は5月以降へ延期 ステーブルコイン利回り規定が焦点に

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米上院銀行委員会で協議が進む暗号資産市場構造法案「クラリティー法案」について、主要交渉役のトム・ティリス議員は22日、公聴会を4月中に実施しない見通しを示し、5月開催を目指す方針を明らかにした。ザ・ブロックやクリプト・イン・アメリカが報じている。

クラリティー法案は、商品先物取引委員会(CFTC)と証券取引委員会(SEC)の規制管轄を整理し、デジタル資産が証券か商品かを判断する基準を明確化することを柱とする法案だ。あわせて、新たな情報開示義務の整備も盛り込まれている。

【参考】THE BLOCK / CRYPTO IN AMERICA

CRYPTO IN AMERICA -最大の焦点はステーブルコイン利回り

現在の交渉で最大の争点となっているのが、ステーブルコイン保有者への報酬、いわゆる利回りの扱いだ。

報道によると、休止口座に対する報酬支払いは禁止する一方、取引活動に伴う利回りについては認める方向で調整が進んでおり、一定の合意に近づいているとみられている。

この点は、法案全体の前進を左右する重要論点として注目されている。

銀行業界の反発が審議を難しく

法案協議が長引く背景には、銀行業界からの強い反発がある。

米銀行家協会(ABA)は4月22日付のポリティコ朝刊ニュースレターに広告を掲載し、上院議員に対して「ステーブルコインの抜け穴を塞ぐよう働きかけるべきだ」と訴えた。

銀行業界は、ステーブルコインに利回りが認められれば、預金資金が暗号資産プラットフォームへ流出し、とくに地域金融機関の経営基盤が弱まる可能性があると懸念している。

業界側は遅延に危機感

一方で、暗号資産業界では法案採決の遅れに対する危機感が高まっている。

デジタル商工会議所は21日、上院銀行委員会宛ての書簡で、下院がクラリティー法案を可決してからすでに270日以上が経過していると指摘。立法の機会そのものが失われかねないとして、早期対応を求めた。

また、コインベースの最高法務責任者ポール・グルワル氏もXで、「クラリティー法案を支持しながら報酬に反対することはできない」と投稿し、業界として利回り条項を重要視する立場を鮮明にしている。

利回り問題の次は不正資金対策と倫理問題

ステーブルコイン利回りをめぐる調整が進む一方、次の論点として浮上しているのが不正資金対策と倫理問題だ。

非カストディアル開発者を送金事業者規制の対象外とする「ブロックチェーン規制明確化法」の取り扱いについては、一部議員が反対姿勢を示している。

加えて、トランプ大統領の暗号資産関連事業からの収益や、4月26日に予定されているトランプ・ミームコイン関連の昼食会をめぐり、議会内では利益相反への懸念も強まっている。こうした倫理面の議論も、法案審議に影響を与える可能性がある。

5月が重要局面に

今後の最大の注目点は、5月に上院銀行委員会が実際に採決手続きへ進めるかどうかだ。

3月時点では、バーニー・モレノ議員が「5月までに法案が通過しなければ、予見可能な将来における成立は難しい」と警告していた経緯もあり、立法スケジュールには時間的余裕が少なくなっている。

ステーブルコイン利回り条項の最終文言、不正資金対策規定の扱い、さらに倫理条項をめぐる与野党調整が、今後の法案の行方を左右することになりそうだ。

まとめ

クラリティー法案は、米国の暗号資産規制の方向性を決める重要法案として注目されているが、公聴会は4月開催が見送られ、5月以降にずれ込む見通しとなった。

交渉は前進している部分もあるものの、ステーブルコイン利回り、不正資金対策、倫理問題など複数の争点が残っており、成立へのハードルはなお高い。5月の委員会審議が、法案の命運を左右する大きな節目となりそうだ。

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